Sponsored Links

20190315a

『National Remembrance Service for Christchurch terror victims』

初秋の青空の下
国家追悼式典に行ってまいりました。

 
2週間前の2019年3月15日に起こった
1人のシューターによるムスリムのモスク襲撃により
50名の尊い命が奪われました。
 

先週22日に行われた『2minites silence』に引き続き
ニュージーランド国家主催による式典でした。

事件後、公式・民間主催で行われたすべての追悼イベント開催日には
クライストチャーチ市内の路線バスはすべて無料で運行されています。

会場周辺の交通規制のため一般車両の進入禁止と
多くの人々が気兼ねなくイベントに参列できるようにとの
クライストチャーチ市のはからいです。
 

最寄りの入り口が封鎖されていたため
ハグレーパーク外周のあちらこちらから

人々が会場の広場を目指し
静かに歩いてゆきます。
(TOP写真)

29032019b

緑の美しいノースハグレーの芝の上に
25000人以上の参列者が集いました。

会場に行く道すがら
手渡されたパンフレット

29032019c

式典スケジュールにゲストスピーカーの名

そして・・・
最後の見開きの頁には
犠牲になった50人の名前が記載されていました。

そこには
息子の友人のお父さんの名前も…

子煩悩な優しい人でした。

29032019e

この日の警備も厳重でした。

日頃、銃を携帯していないNZのポリスですが
あの事件以来、街で見かける姿は重装備です。
 

この日の演説もどれも素晴らしいものでした。

まずはクライストチャーチ市長である
リアン・ダルジール(Lianne Dalziel)市長

彼女はこの緑あふれる街が
このような理不尽な暴力にみまわれたことを憂い

そして、すべての市民は独りではなく
私たちは共にある、と宣言しました。

 
アルノール・モスク襲撃のサバイバーである
ファリド・アフメド(Farid Ahmed)氏

彼の奥様は車椅子の夫をかばって
命を落としました。

けれども彼は
「犯人を愛し、許します」

そして…
「もう誰も、命を落としてはいけないのです」

と語りました。

 
ニュージーランド首相
ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)氏

事件直後からの
彼女の毅然とした態度と
力強い、愛のある発言は

移民である私たちをはじめ
すべてのNZ国民を勇気づけました。

「確かに”差別”は存在します」
「けれども、この国では歓迎されない」

彼女は力強く言い切りました。

首相のスピーチの後
次のライブとの合間に

ある犠牲者の娘さんが登壇されました。

14~5歳くらいでしょうか?
白と黒の柄のヒジャブを被り

付き添いのもう一人の少女と共に
マイクの前に立った彼女は

終始、うつむき加減でしたが
けれど…しっかりとした声で

父親の名前
3月15日にアルノールのモスクで亡くなったことを述べた後

「He was really good man… Yes, …Thank you」

とてもシンプルに
けれどもそれが「全て」なのだ、
というように…彼女の父のことを語りました。

この日のスピーチで
何よりもこの彼女の言葉が

いちばん胸を突きました。

 
彼女のように
ただ「善い人」だった家族や友を失った人が
どれほど居るのでしょうか。

想う度に
ただただ、胸が塞がるようです…

29032019f

ハグレーパーク内にある
ボタニックガーデン(植物園)の入り口には

未だ、たくさんの花束やカード
ぬいぐるみや写真などが飾られています。

 
犠牲者の方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

R.I.P…

Sponsored Links